2025.8.9

【バッシ相続】

弁護士

弁護士の福田です。

「バッシ相続」という言葉は聞いたことあるでしょうか。漢字で書くと「末子相続」です。

これは一番最後の末っ子が家督と親の財産を継ぐという、相続の慣習を指しています。

いまは兄弟の法定相続分は平等ですが、戦前の民法では、戸主となる長男が、家督相続で家の財産を全て承継するのが原則でした。これが約半世紀続いたので、日本の伝統的な相続慣習といえば、長男が家を継ぐ長子相続のようになんとなくイメージしがちです。しかし、実際にはそう単純でもなかったようです。

鹿児島県や長野県の一部地域では、末っ子が家の財産を継ぐという末子相続の慣習があったことが、専門家の研究により判明しています。

家は狭く経済的に苦しいために、子どもは成人すればすぐに独立して家を出て、最後に残った末っ子が親の面倒を見つつ家を継ぐというのが理由だと考えられています。

末子相続で有名なのといえば、モンゴル帝国初代チンギス・ハーンの子オゴデイでしょう。この人はチンギス・ハーンの三男でしたが、長男次男を差し置いて2代目のハーンとなりモンゴル帝国を継いでいます。

遊牧民族は伝統的に末子相続で、その慣習は薄れつつも現在でも残っていると言われています。遊牧民の財産は家畜なので、農耕民に比べて財産を分けやすいからでしょうか。

現代日本には遺言認知という制度がありますが、末子相続が当然の社会で遺言認知が起きた場合、どうするんでしょうね?