Column
スマイル相続ちえ袋

弁護士の福田です。
相続で揉めないように遺言を作成しましょう、これは世間でよく言われることです。しかし書き方によっては、遺言があるためにかえって揉める場合があります。
近年見た遺言の中に「私の遺産は○○様に任せます」というものがありました。
法律的には遺贈なのか、相続分の指定の委託なのか、それともそれ以外なのか、いろいろ可能性が考えられるところです。
他にも、「不動産はAに相続させる。その他一切の財産をBに相続させる。」と遺言本文に書きながら、付言事項で「現金はABなかよく二等分してください」と書いたために、現金が「その他一切の財産」に含むかをめぐって2年くらい裁判で争った事例もありました。
遺言の解釈においては、遺言書全体の記載の関連性のみならず、遺言書作成当時の全事情を考慮して遺言者の真意を探究するというのが判例の姿勢です。
ですので、遺言に曖昧な書き方をして解釈で揉めてしまうと、遺言作成当時のあらゆる事情を援用した総力戦になってしまいがちです。
せっかく相続で揉めないように遺言を作成するわけですから、解釈に幅を持たせないように、作成時にはその文言を専門家にチェックしてもらうことをお勧めします。