2025.8.9

期待感のコントロール

弁護士

弁護士の福田です。

人はなぜ、自分のものでないはずの財産の分け方でもめるのでしょうか?なんか哲学のような話ですが。

ノーベル賞を創設したアルフレッド・ノーベルは、「遺産は相続できても、幸福は相続できない」と言いました。確かに、ノーベルの相続人は死ぬほどもめたようです。

それはともかく、もめる主体は相続人ですから、なぜもめるかは受け取る相続人側の立場に立って考えなければなりません。

私が思う円満な相続を妨げるもの、それは「期待感」です。

相続人の相続に対する期待感の大きさと現実のギャップが、紛争性に大きく影響しているように思います。

実際に遺産分割をやってみると分かりますが、亡くなった人に子どもも親もいなくて兄弟間での相続になる場合、兄弟が多くなればなるほど、意外と揉めずにすんなり納まります。

それはたぶん、皆さんそもそも相続に期待していなかったからではないかと思うのです。

大人になれば互いに独立して離れますから、他の兄弟の財産を知ることは少ないですし、自分が相続人になることをそもそも予想していません。

兄弟人数が多くなるほど、期待しないのでまあ適当に分けといてくれたらいいよ、というクールな反応になりがちです。

とはいえ、実の親からの相続となると、聖人君子ではない私たちはやはり漠然と期待していますよね。

ですので、親子間の相続の場合、相続人の期待感をいかにコントロールするかが、もめないための相続には重要ではないかと思います。