2025.8.9

【見えている世界の違い】

弁護士

弁護士の福田です。

相続争いでよく生じる対立に、被相続人の「介護側」と「その外側」があります。

「介護側」は、言うまでもなく介護の苦労を語り、介護に費やした時間と労力を相続に反映させたいと願います。

対して、介護をしてこなかった「その外側」の反論として、被相続人は虐待されていた、というのがよく出てきます。

食事を与えられないとか、お金を取り上げられるなどと本人が文句を言っていた、というのがその根拠です。

確かにその反論が当たっているケースもあるでしょうが、どうも被介護者の心理を理解していないのではと感じることも多いです。

被介護者は、たまにしか顔を出さない身内に対して、もっと構ってもらうためにわざと同情を引くような言動をとりがちです。認知症の症状があると、これに妄想と攻撃性が加わることもあります。

非難されるのはたいてい「介護側」です。「介護側」は、普段から被介護者に接していてその状態をよく知っており、非難されるのも日常のこととして受け流しますが、たまに会いに来た身内が真に受けてしまうのです。

「介護側」と「その外側」では本人に接している時間が違うので、見えている世界も違うのだということを頭の片隅にでも置いてもらえれば、相続争いも少しは減るかなと思っています。