Column
スマイル相続ちえ袋
その贈与は成立していますか?
お子さんのうちの1人が、母の預金を生前5年前から数千万と引き出していました。
母の相続税申告の際に処理に困ります。
①過去3年分の引出し額を、そのお子さんの生前贈与として相続財産に加算する
※令和5年までの相続開始とします
②そのお子さん名義の預金にプールしているなら、お母さんの名義預金として相続財産とする
※①との違いは、その名義預金は相続人で話し合い財産をわけます
③引き出したお金は全部母の生活費・病院代などにつかったといいはられたら、何も処理はしません。
ただ、毎年1000万も引出し何に消えたか、、、。
1ヶ月何にいくらくらい使っていたかヒアリングして、残っているだろう金額を①又は②の処理をする場合もあります。
あるお子さんは、③と主張し、通帳を管理していない他の兄弟は仕方なく手元預金のみで相続税の申告をしました。
案の定、母の相続申告から2年後に税務調査が行われ、母の通帳管理をしていたお子さんの通帳にその数千万が入金されていたことがわかりました。
母は3年前から認知症を発症していたため、
そもそも贈与は成立していませんでした。
税務署からは、①の処理ではなく、②の処理と指摘をうけました。
預金をもらっていない他の兄弟も相続税の修正に、延滞税・過少申告加算税を払う羽目になりました。
預金管理をしていたお子さんから、預金は返してもらえるのか、
また、余計な延滞税など数十万払う羽目になった他の兄弟は、預金管理をしていたお子さんに、延滞税などを請求できるのでしょうか。
ご高齢になったご両親からの贈与は、きちんと毎年贈与の意思を確認しましょう。
税理士法人オフィス・サポート、税理士の馬場でした。